海生哺乳類が海岸線から陸地側へ生きた状態で座礁したり、死んだ状態で漂着し、自力で本来の生息域に戻ることができなくなることです。 当レコードでは、死んだ状態で漂流するもの、生きた状態で本来の生息域から離れて河川などに迷入する現象も広義にストランディング(Stranding)として扱っています。 2頭以上が同時にストランディングする状態をマスストランディングといいます。
別途「定置網に混獲されたひげ鯨等の取り扱いの手引き」(PDFファイル)をご利用下さい。
ストランディングした個体の情報を収集、分析することにより、海生哺乳類の回遊、来遊、分布といった知見を得ることを目的としています。 また、DNA分析による種判定をとおして、発見時にわからなかった種の判定や資源分類にも役立てます。 さらにこれらの情報を広く社会に公表することを通じて、主として鯨類の生物学的情報の広報、普及に努めます。 収集された情報には、希少種のものもあり、これらは保護、保全、生態解明にも役に立つことでしょう。 また、長期間収集することにより、経時変化を知る指標としての役割も求められます。 生きた状態で座礁したり、マスストランディングした動物では、その原因を調べることも生物的世界を理解する上で多くの謎を残しており、研究のための情報収集が必要です。
日本鯨類研究所ではその前身である鯨類研究所時代の1986年から、日本沿岸における鯨類のストランディングレコードの収集を行って来ました。 近年では、海生哺乳類(鯨類の他、キタオットセイなどの鰭脚類やジュゴン、ラッコを含む)の情報が集積されています。 これらの情報収集には皆様のご協力が欠かせません。 近隣の海岸などでストランディング動物を発見したり、新聞記事などを見たりしましたら、生死を問わず日本鯨類研究所までお知らせください。 お知らせいただいた情報は、データとして登録公表するほか、これらの情報を日本近海の海生哺乳類の生態や海洋環境の変化の解明に役立てたいと考えています。
ストランディングレコード用紙ダウンロート
ストランディングの報告はストランディングレコード用紙に記入の上ストランディングレコード担当宛に送付下さるか、用紙を利用出来ない場合は、
(1) ストランディング日あるいは発見日
(2) 種類(同定の理由とした個体の特徴もお書き下さい)
(3) 頭数(全頭数と雌雄が判別できれば雌雄別の頭数)
(4) ストランディングの場所
(5) 報告者の氏名、所属等
(6) 状況(発見時に生存か死亡か)、体長や性別等の情報
(7) 撮影可能であれば写真(種の正確な同定に役立ちます)
をE-mail:[email protected]までお送りください。
また、新聞や雑誌の記事でストランディングの情報を知り、その記事をお送りいただく場合は、新聞(雑誌)名、日付等を添えてお知らせください。 種の同定等、情報内容の精度に疑問がある際には登録できない場合もありますが、その場合にも貴重な資料として、記録を保管させていただきます。
座礁鯨の利用、処理については、水産庁の「鯨類座礁対処マニュアル」を参照ください。
当研究所がストランディングデータの収集目的で集める個人情報の取り扱いについては、以下のポリシーに従います。
目的: ストランディングした海生哺乳類の情報を収集、分析することにより、回遊、来遊、分布といった知見を得る学術研究目的で収集します。 個人情報は当該データのデータ登録の連絡にのみ利用します。
取り扱い: ご報告いただいたストランディング情報のうち、個人情報については、法令及び行政機関が定めたガイドラインを遵守します。 情報の紛失、破壊、改ざん及び漏えいに対する予防措置を講じます。 また、学術成果の発表、公表に際しては、個人を特定出来る名前や住所の内容は掲載しません。
データの閲覧やご利用についてはこちらをご覧ください。